一口にファンタジーといっても色々にジャンル分けが可能で、硬派なものから児童文学のようなものまで様々なものが書かれている。
中でも、この一年ほどは海外の作家の手によるものを好んで読んでいる気がする。
(意識的にそうしてる訳ではないけど、気がついたらそうなっていた。)
一番好きなのは、数年ほど前からハヤカワ文庫から新装版で刊行されている、デイヴィッド・エディングスのシリーズだ。
「ベルガリアード物語」が5冊にはじまり、その続編「マロリオン物語」5冊、両シリーズに登場して主役を完全に喰ってしまっている父娘それぞれの人生を描いた「魔術師ベルガラス」と「女魔術師ポルガラ」がそれぞれ3冊づつ、それとは別の話で聖騎士スパーホークの活躍を描いた「エレニア記」と「タムール記」がそれぞれ6冊、合計で28冊がこれまでに刊行された。
今日、タムール記の最終巻を読み終えたけど、何ともらしい感じで満足だった。
彼ら(夫婦で共著だから)の作品の何が魅力なんだと聞かれると、登場人物たちが繰り広げる会話だ、と答える人が意外と多いんじゃないだろうか?
どう考えてもアメリカのドラマや映画なんかの雰囲気を感じさせる皮肉の応酬は、ストーリーラインそっちのけで思わずニヤリとさせられるものばかりだ。
ムアコックみたいにジメッと暗い感じにならないのはこれが原因だと思う。
それに多分対象としてる年齢層も少し高めで(下ネタもさり気なくふんだんに盛りこまれているしね)、ハリーポッターなんかを読むのは少し気恥ずかしく感じる僕にはピッタリだ。
それに、何といっても構えずに読めるのがうれしい。
ファンタジーでもガチガチに硬派なものや、ムアコックのシリーズみたいに深遠な思想のようなものを感じさせるものも読むけども、やっぱり僕はエディングス夫妻の「会話」が一番好きかなぁ。
今回で新装版の刊行は終了し、しばらく間をおいて08年に新シリーズが刊行されるらしい。
次回は4部作だということだが、日本語訳にしたらいったい何冊になるんだろう?(苦笑
それまでは、隔月刊行のエターナルチャンピオンシリーズでも読んで待ってよう(ハヤカワばっかだな 苦笑)。
P.S.
妻であり、共著者でもあるリー・エディングスが亡くなったそうだ。
エディングス夫妻の物語に出てくる女性がオノ・ヨーコばりに強烈な個性の人ばかりだったのは、きっと彼女の力なんだと勝手に思っています。
御冥福をお祈りいたします。
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